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[20121231]

UlisseUlisse
(1997/01/01)
Pfm

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ULISSE (ユリシーズ)ULISSE (ユリシーズ)
(2003/02/05)
PFM

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97年の作品です。10年間の活動停止を経てやっと自分達の音楽を演奏出来る環境を整えました。プログレにはなっていますが、80年代にイエスらがやっていたアメリカンプログレですね。もっと早くからこういう音楽は出来たはずですが、彼らには時間が必要だったみたいです。少し民族音楽も含みながらのポップなプログレになっています。

1. Ieri
2. Andare per andare
3. Sei
4. Il cavallo di legno
5. Ulisse
6. Uno in più
7. Canzone del ritorno
8. Il mio nome è Nessuno
9. Lettera al padre
10. Liberi dal bene liberi dal male
11. Domani

ドラマティックな曲の構成力、それを表現出来る演奏力、少しも衰えていません。ただ、昔みたいに複雑にするのは控えて、分かり易いポップな仕上がりにしています。90年代になっているので、テクノの影響があっても不自然ではありませんが、テクノ感はまったくありません。プログレの質感ですね。そうでなければ待っていたファンも納得しなかった事でしょう。

民族音楽というか、地中海フォークというのが彼ららしい形容でしょう。情緒的ではありませんが、カムバックした事を感じさせてくれる力作です。ジャケットの精子の遊泳は意味不明ですが、プログレに戻った事は喜ばしい事です。ただ、やっている事は80年代のプログレです。90年代らしさがみじんもありません。そこはご愛嬌で。

Ieri
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[20121231]

ミス・ベイカー(紙ジャケット仕様)ミス・ベイカー(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
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87年の作品で、80年代サウンドをより研究して自分達のものにしています。フュージョンに傾倒していた事もあり、A.O.R.な雰囲気を出したり、女性コーラスを入れて、80年代ファンクもものにしています。演奏力は衰えていないので、それらのスタイルを模倣するのはお手の物です。ですから内容は前作よりも良くなっています。

1. Prima Che Venga La Sera
2. Un Amore Vero
3. Finta Lettera D'Addio Di Una Rockstar Per Farsi Propaganda
4. Josephin Baker
5. Temo Tempo
6. La Chanson D'un Aviateur
7. Colazione A Disneyland

80年代サウンドということでは良質なものを創りだしました。前作のクソのような曲ではなく、アダルトな雰囲気になっているので、ベテランとなっている彼らにはふさわしいものになっています。ただ、もはやあのP.F.M.ではありません。魂を悪魔に売り渡したという形容詞がよく似合う作品です。ファンキーで黒人音楽をコピーしてものにしているのはさすがです。

当時売れていた作品を見事にコピーしました。という感じで、演奏力もあるので、聴いていて心地良いです。ただ、このバンド、プログレバンドだったはずですが?みたいな疑問符も出てきます。そしてこの後長い活動停止に入ります。自分達の進むべき道を見失っているのですから、それも当然でしょう。ただ、活動停止しても、それに気づく人もいなかったのも事実です。

Prima Che Venga La Sera
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[20121231]

PFM?PFM!(紙ジャケット仕様)PFM?PFM!(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
PFM

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84年の作品で、完全にニューウェイヴというより、80年代サウンドになってしまっています。もはやプログレではありません。しかし、それでも演奏は達者です。80年代のイタリアのポップグループという事で聴く分にはいいでしょう。これまでのようにプログレバンドという期待は持たない方がいいです。

1. Capitani coraggiosi
2. Sentimentalmente
3. Marlon Brando
4. Attimo di musica
5. Tigre
6. “46”
7. Ego-telecomunicazione
8. Bi Bi Bop

80年代の音楽、それも売れない音楽というどうしようもない作品になっています。当時のラジオにはのせられ易い曲ばかりですが、イタリアのみで売れる程度だったようで、世界的にはほとんど無視に近い作品です。こういう音楽をやっているのはゴマンといたわけですから、わざわざこのアルバムを金を出す必要もないはずです。ただ、惜しいのは演奏は素晴らしいということです。

80年代特有のデジタルシンセ、少しレゲエが入る、など、実に陳腐な曲ばかりです。こんな曲演奏して何が楽しいのか、ただ金のためだけにこんな音楽を創って演奏するのか、かなり疑問が残ります。しかも、それが売れないと言う事であれば、本人達もいい加減打開策を考えなければならないはずですが、イタリアで少し売れればそれでよしとしたのでしょうか。

Capitani coraggiosi
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[20121231]

コム・ティ・ヴァ(紙ジャケット仕様)コム・ティ・ヴァ(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
PFM

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81年の作品で、完全にニューウェイヴ対策で、ポップな曲を演奏するようになっています。前作では無理にポップな曲を創っている感じでしたが、このアルバムでは一歩進んで、彼らなりのポップソングを創れるようになっています。持ち前の構成力で、ポップなだけではなく、聴き応えのある楽曲に仕上げています。それで折り合いがついて自然な感じでポップになれています。

1. Come Ti Va
2. Weekend
3. Quartiere Otto
4. Rock In La
5. Chi Ha Paura Della Notte?
6. Indians
7. Poeta Mancato
8. Meno Male Che Ci Sei

大物プログレバンドはジャーニーのようなアメリカンプログレを手本に変貌を遂げていますが、このバンドの場合は普通にアメリカンロックを自分達流で演奏しています。どちらかと言うとフォリナーでしょうか。それでも前作では簡単な演奏になっていませんでしたが、この作品では演奏もシンプルになっています。ただそれだけでは陳腐な曲になりがちのところを、構成力でカバーしています。

ただ、演奏家として心配なのが、本当にこんな音楽を演奏して彼らは楽しかったのでしょうか、という疑問が残ります。ただ金を稼ぐためだけにシンプルになるのは屈辱だと思います。特に彼らのようにオーケストラの一員にも慣れるだけの技術を持っている人達が、これだけ押さえた演奏に留まっているのは異様です。流石にシーケンサーは使わずに手弾きで超絶的な演奏もしていますが、80年代は人を狂わせてしまう甘い罠が惑わせます。ポップアルバムとしては安定感がある演奏なので、かなり良質です。

Come Ti Va
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[20121230]

スオナーレ・スオナーレ(紙ジャケット仕様)スオナーレ・スオナーレ(紙ジャケット仕様)
(2006/05/24)
PFM

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80年の作品です。これまで専属ボーカリストとして素晴らしい歌声を披露していたBernardo Lanzettiが脱退してしまった為に、再びメンバー全員で歌い回すやり方に戻ります。曲調は前作と変わっていませんが、フォーク調な部分はポップなアレンジによって、ポッププログレになっています。ニューウェイヴの時代ですから、彼らなりに譲渡したのでしょうが、基本的な部分は変わりがありません。

1. Suonare Suonare
2. Volo A Vela
3. Si Può Fare
4. Topolino
5. Maestro Della Voce
6. Sogno Americano
7. Bianco E Nero
8. Tanti Auguri

彼らなりのポップさですから、演奏はテクニカルです。つまり中途半端なのです。ポップにするならとことんシンプルにするか、テクニックを披露するならとことん複雑にした方が当時は売れてました。しかし、どっち付かずだと無視される傾向にありました。その頃からニューウェイヴに進む人とオールドウェイヴを聴き続ける人にはっきり差分化されるようになります。どちらかにはっきりと意思表示をする必要があったのです。

私のようにどちらも聴く耳を持っているものにとっては、このような作品もアリなのですが、一般的にはファッションの様にラベル化された音楽に食らいつくのです。ジャケットは牧歌的な感じですが、内容はニューウェイヴに寄り添うようなアレンジになっています。しかし、テクニシャンである彼らの演奏はオールドウェイヴなのです。このへんてこりんな感じが愉快に感じられるようになるには時間がかかると思いますが、今なら楽しめると思います。

Suonare Suonare
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[20121230]

PasspartuPasspartu
(2005/11/01)
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78年の作品です。アメリカ進出に失望した彼らは、母国イタリアに戻り、歌詞もイタリア語に戻し、自分達の音楽を追求する事に専念します。ヴァイオリンのMauro Paganiが脱退した後に入っていたGregory Blochも脱退した為、この作品からバイオリンレスの普通のバンドになってしまいます。

1. Viene Il Santo
2. Svita La Vita
3. Se Fossi Cosa
4. Le Trame Blu
5. Passpartu
6. I Cavalieri Del Tavolo Cubico
7. Su Una Mosca E Sui Dolci
8. Fantalita

初期の頃から持っていたアコースティック感覚を更に拡げて、中世の上流階級の音楽ではなく、庶民的なフォークソングを再現したような音楽になっています。つまり、プログレの世界に戻ってきたのです。たとえるならば、ジェスロタルのアコースティックな曲に近い感覚です。地中海フォークという表現がされていますが、そうなのでしょう。私は地中海フォークというものがどういうものか把握はしていません。

農民がお祝いに踊るような親しみ易くも優雅な音楽です。実に素晴らしい音楽ですし、ロック界では個性的なアルバムになっています。しかし、時代はパンク旋風が吹き荒れる中、こうした作品は全く無視されるようになります。せっかく世界進出を果たした彼らでしたが、時代の波に飲まれて埋没していきます。それでも彼らはイタリアを拠点として着実に作品を生み出していきます。素晴らしくも美しい名盤です。

Viene Il Santo
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[20121230]

Jet LagJet Lag
(2006/07/28)
Pfm

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77年の作品で、アメリカやイギリスでレコーディングされています。ビッグマネーを獲得するにはアメリカを制しなければなりません。彼らはアメリカをターゲットに入れましたが、他のプログレバンドがアメリカンプログレの真似事をしている中、彼らが選択したのはフュージョン、ジャズロックでした。プログレバンドはロックとクラシックとジャズが融合しているものが多く、彼らには全くなかったジャズの要素をやっと取り入れるようになりました。

1. Peninsula
2. Jet Lag
3. Storia In LA
4. Breakin In
5. Cerco La Lingua
6. Meridiani
7. Left Handed Theory
8. Traveler

リターントゥフォーエヴァーみたいなフュージョンスタイルになっていいます。この選択も演奏テクニックが卓越している彼らだからこその選択だったと思います。そのフュージョンスタイルにジェネシスみたいな歌をのっけるという誰もやった事が無い音楽を構築しています。それだけで歴史的偉業だと思うのですが、イタリアの情緒的なプログレを望んでいるファンの間では評価が低い作品になっています。

ただし、アコースティクギターだけで始まるアルバムでして、情緒性を取り戻した部分もあります。シンセサイザーの音色がプログレよりもフュージョンでよく使われている音色を選んでいる事もあり、彼らがやっている凄さがファンには伝わりにくいものになってしまっているのです。フュージョンでの歌は、どうしてもA.O.R.風になりがちなところを、あくまでもロック、プログレとして表現している偉業をもっと高く評価すべき名盤だと思います。

Peninsula
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[20121230]

Chocolate KingsChocolate Kings
(2005/11/01)
Pfm

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75年の作品で、タイトルのチョコレートが意味するものはアメリカであり、アメリカ侵略という野心を持ったアルバムになります。その為、これまでの情緒性は少なくなり、アグレッシヴなプログレスタイルになっています。又、新たに専属のボーカリストのBernardo Lanzetti を参加させて、これまで特長がなった歌の部分の強化を計っています。

1. FROM UNDER
2. HARLEQUIN
3. CHOCOLATE KINGS
4. OUT OF THE ROUNDABOUT
5. PAPER CHARMS

Bernardo Lanzetti が加入した事で、これまでの唯一の弱点だった歌が魅力的になり、無敵なバンドに成長しました。Bernardo Lanzetti の歌い方はピーターガブリエルみたいで、ジェネシスみたいになっています。この事により、曲がよりドラマティックに聴こえるようになりました。しっかり歌が入ってくるのです。そして他のメンバーは演奏に集中出来るようになりました。それで、これだけアグレッシヴになっているのかもしれません。

ただし、アメリカではプログレを受け入れる土壌は出来ておらず、しかも当時はディスコフィーヴァー中で、彼らの野心はついえてしまいます。又、イギリスではプログレバンド次々に空中分解し始めて、やがて来るパンクの線s−ションによって、プログレバンドは苦しい状況に追い込まれます。このバンドも世界的に羽ばたきましたが、どんなにテクニックがあっても、それを否定するようなパンクの破壊工作により無用の長物になっていきます。そうした時代背景を無視すれば素晴らしい名盤として君臨出来た作品であります。

FROM UNDER
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[20121229]

甦る世界~オリジナル・イタリアン・ヴァージョン甦る世界~オリジナル・イタリアン・ヴァージョン
(2009/06/10)
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74年の作品で、世界デビューしてからの初のオリジナル作品であり、彼らの人気を決定づけた作品になっています。ただし、世界向けとイタリア国内向けと分かれて、英語バージョンとイタリア語バージョンが存在します。彼らの英語はイタリアニュアンスなので、普通にイタリア語で歌っている方が様になりますが、多く広まっているのは英語バージョンです。

1. Lisola Di Niente
2. Is My Face On Straight
3. La Luna Nuova
4. Dolcissima Maria
5. Via Lumiere (Strumentale)

男女混合合唱で始まり実に堂々とした彼らの演奏は更にすごみを増しています。E.L.P.からの影響を少なからずあると思います。変拍子の連続技やドラマティックな曲構成、イエスやジェネシスの影響もあると思います。しかし真似だけに終わっていないオリジナリティーこそがこのバンドの強みであり、中世的な曲もメロトロンが入り情緒的で、何より強弱の落差が見事でゾクゾクする盛り上がりで流れるように展開していきます。

強いて言えば歌がイタリア語なので、なかなか存在感が薄いです。歌は巧い方ですが、イギリスのバンドのように個性的ではないのが地味な印象を与えます。巧過ぎるので少し崩して歌えればもっとアピール出来ていたと思います。作品としての美しさでは初期の作品の方がお薦めですが、このアルバムをもって世界的な成功を収める事となります。名盤です。

Lisola Di Niente
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[20121229]

Photos of GhostsPhotos of Ghosts
(2010/04/06)
PFM

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73年の作品で、E.L.P.が新しく設立したManticore Recordsから世界デビューを果たした作品です。キングクリムゾンからE.L.P.の歌詞を担当していたPeter Sinfieldがプロデュース、彼らのセカンドアルバムPer un amicoの曲にPeter Sinfieldが英語か歌詞をつけて録音し直したものになります。曲としてはダブっているのですが、英語になっただけで親しみ易くなり、世界的なヒットとなりました。

1. RIVER OF LIFE
2. CELEBRATION
3. PHOTOS OF GHOSTS
4. OLD RAIN
5. IL BANCHETTO
6. MR. 9 `TIL 5
7. PROMENADE THE PUZZLE
8. PHOTOS OF GHOSTS (INSTRUMENTAL MIX)
9. RIVER OF LIFE (FIRST MIX)
10. OLD RAIN (FIRST MIX)
11. IL BANCHETTO (FIRST MIX)
12. MR. 9 `TIL 5 (INSTRUMENTAL MIX)
13. CELEBRATION (UNRELEASED SINGLE EDIT)

バンド名もPremiata Forneria Marconi改め、P.F.M.と先輩バンドE.L.P.を真似たものにしました。この事によりバンド名も覚え易くなり、世界中の人が知るところとなります。演奏力、表現力、曲の構成力、既に申し分ありませんので、鳴り物入りでのデビューとなりました。後にイタリアのみのリリースだったファーストとセカンドも発売されますので、このアルバムは曲が重複していますが、ファンとしてはどちらも揃えておいてよりと思います。

プログレバンドの凄いところは、かなり編集を重ねたスタジオ盤での演奏をそのままのクォリティーでライブでも演奏出来るところです。オーケストラでもライブ演奏が命でありますので、プログレバンドも、それと同じくらいの覚悟で演奏します。特にこのバンドのメンバーはオーケストラの一員としてもやっていいけるだけの演奏家の集まりですから、安定感が違います。そしてロック的なフィーリングもしっかりと持っています。イタリア国外のファンとしてはこのアルバムが出会いですから、歴史的な名盤になります。

RIVER OF LIFE

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[20121229]

友よ友よ
(2009/06/10)
PFM

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72年のセカンドアルバムです。ここまではまだイタリア国内のみでの活動でした。ファーストアルバムで既に優れた構成力を持った楽曲を創っていますが、更に巧妙になり、ロック的なポップな部分もふんだんの織ませられています。中世的なバラック様式にロックの融合という、ジェネシスやキングクリムゾンに近いながらも、全田的にはイエスのようなシンフォニックロックになっています。

1. Appena Un Po
2. Generale
3. Per Un Amico
4. Il Banchetto
5. Geranio

ハードロック、プログレ全盛時代、演奏力こそがバンドの生命線でありました。その反動でパンクのようなノンテクニック指向が生まれるのですが、このバンドの演奏力はイギリスのバンド以上であり、ストーリー性の表現力という点でもずば抜けています。そして曲の構成もしっかりしているので、これで売れない訳がありません。ただ、イタリア語の歌詞というのが馴染みが無いのでネックだったかもしれません。

プログレはクラシックが根付くヨーロッパ圏では爆発的に売れていて、当時のスーパーバンドE.L.Pがイタリア公演の時に前座を務めたのがこのバンドです。そしてその実力が認められ、晴れて世界でデビューを果たします。純粋にイタリアのバンドとして楽しめるのはここまでとなりますが、大御所バンドの名盤とされている作品と何ら遜色の無い出来映えです、名盤です。美しい。

Appena Un Po
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[20121229]

幻想物語幻想物語
(2009/06/10)
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次はイタリアのバンドの紹介です。後にP.M.F.として世界的にも有名になるバンドですが、これはイタリア国内でリリースされていたファーストアルバムです。72年の作品で、既に完璧なプログレになっています。クラシックの教養があるメンバーがクリムゾンやジェスロタルのようなプログレッシヴロックをやっています。クラシック分野でも演奏力のあるメンバーですが、ロック的な演奏も安定感のある演奏を展開しています。

1. Introduzione
2. Impressioni Di Settembre
3. E Festa
4. Dove...Quando (Parte I)
5. Dove...Quando (Parte II)
6. La Carrozza Di Hans
7. Grazie Davvero

メンバーはドラム、シンセサイザーのFranz Di Cioccio、ギターのFranco Mussida、フルート、ピッコロ、バイオリンのMauro Pagani、ベースのGiorgio Piazza、キーボードのFlavio Premoliで、全員が歌えるバンドで、コーラスワークも見事です。既にファーストアルバムで円熟した情緒的なスタイルになっています。アコースティック楽器とシンセ、メロトロンのコントラストが見事です。

これだけの表現力を持っていたから世界的にも売り出されたのですが、この落ち着き様、当時の若者は実に大人びています。これだけの実力のあり、まだ若いのでメンバー感のぶつかり合いもあったようですが、演奏は見事な調和があり、曲としても構築力が完璧です。イエスのようなカットアップの手法もとっていて、様々な演奏をつなぎあわせていますが、それも繊細に計算されてのものだと思います。本場イギリスに負けていない素晴らしい作品です。名盤ですね。

Introduzione〜Impressioni Di Settembre
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[20121228]

IndividuellosIndividuellos
(2005/09/05)
La Dusseldorf

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81年のサードアルバムですが、これが最後のアルバムとなってしまいました。よりポップに80年代サウンドしています。シンセもポリフォニックになっています。疾走感があって明るい作品が多いです。クラフトワークのように機械的ではないテクノ。たとえばディーヴォのようなギターバンドのテクノもありますから、必ずしもシンセが入っていなければテクノじゃないというのは間違いです。特にノイが原型とすれば、ギターテクノもあり得るのです。

1. Menschen, Pt. 1
2. Individuellos
3. Menschen, Pt. 2
4. Sentimental
5. Lieber Honig 1981
6. Dampfriemen
7. Tintarella di...
8. "Flashback"
9. Das Yvönnchen

モノフォニックからポリフォニックへ、アナログからデジタルへシンセが進化していきます。和音が弾けるようになって、シンフォニックなサウンドになっています。勿論まだアナログシンセも使っています。ノイとは違って、このバンドは時代ともシンクロ出来たので売れました。テープの逆回転、サウンドエフェクトも織り交ぜながらポップソングだけでは終わっていないところがこのバンドの良さです。

しかし、ポップなところは無垢なまでにポップであり、無理して難しくしていないところがいいです。シンプルでありながら新しさを感じさせる。80年代の始まりは、本当に新しい時代が来た事を感じさせる作品が多く出ています。フランジャーをかけてフロントピックアップの柔らかいトーンをノイジーに漂わせるギターは、ロバートフィリップみたいにプログレッシヴでありながら後のギターノイズポップへとつながるものです。ドイツのバンドは時代の背景を重ねながら聴くと、いかに時代を先取りしていたかが分かり、感動するものばかりでした。

Menschen, Pt. 1
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[20121227]

VivaViva
(2005/04/12)
La Dusseldorf

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78年の作品で、ジャケットのデザインがノイに似ています。シングルでCha Cha 2000が大ヒットした為に、一番人気があるアルバムになっています。時代はパンク、ニューウェイヴ真っ盛りで、時代がやっと彼らに追いつきました。パンクの元祖に一つがグラムロックでもあるため、グラムロックのうさんくささにも似たものがあります。

1. Viva
2. White Overalls
3. Rheinita
4. Vogel
5. Geld
6. Cha Cha 2000

正にパンク、ニューウェヴそのもののスタイルですが、それとは別にディスコブームも収まっていません。ですからディスコで踊れるような明快なリズムというのもあってCha Cha 2000が大ヒットしました。テクノポップが流行りだすのはほんの少し後ですが、Klaus Dinger は元クラフトワークという事もあって、既にテクノな感じもあります。

パンクは歌が下手の方が味わいがありまして、Klaus Dinger の歌は正にパンクそのものです。リズムはグラムロックをもっと平べったくした感じであり、非常にポップで分かり易くなっているので、ノイから合わせても最大のヒットとなりました。パンクのような社会風刺の歌詞ではありませんが、投げ捨てるような歌い方はパンクのように聴こえます。変なコーラスもあったりしますが、上手ではないのですが妙に心地良くなります。新しいロックンロールのあり方とも言えます。歴史的名盤です。

Viva
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[20121226]

DusseldorfDusseldorf
(2008/10/14)
La Duesseldorf

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Neu!のKlaus Dinger が結成したデュッセルドルフです。76年のファーストアルバムで、メンバーはパーカッション、ボーカルのThomas Dinger、ベースのHarald Konietzko、キーボードのHans LampeとNikolaus VanRhein、Klaus Dinger はギターとボーカルを担当しています。Neu!とは違ってはっきりとしたバンド形式になっています。

1. Düsseldorf
2. La Düsseldorf
3. Silver Cloud
4. Time

プロデュースはConny Plankとバンドの共作です。スタイルはNeu!から継承した淡々と続くドラムパターンにギターなどが絡んできます。Neu!と違うところは、その上にキーボードや歌が入ってくるので、Neu!のような未完成なデモテープのような感じから、普通の楽曲に仕上がっているのですが、ジョイディヴィジョンのようなスタイルを既に完成させています。ニューウェイヴ作品と言えますが、イギリスではやっとセックスピストルズがスキャンダルを巻き起こしていた頃で、かなり先んじております。

Klaus Dingerの歌い方はジョニーロットンそのものであり、Klaus Dingerがいなければセックスピストルズも存在しなかったのではないかとさえ思えます。ギターはロバートフィリップっぽいので、プログレからニューウェイヴへの流れということで、ロキシーミュージックに近いと思います。元祖はロキシーなのですね。パンクもニューウェイヴもテクノポップも、全てこの中に眠っています。名盤です。

Düsseldorf
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[20121225]

Neu! \'86Neu! \'86
(2012/11/13)
Neu!

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86年にニューウェイヴの台頭から再評価を受けて再結成した時にリリースされたアルバムです。完全に80年代サウンドになってしまっていますが、彼らの方法論は貫かれています。時代が彼らの追いついただけの事ですが、その為、普通に聴こえてしまいます。大分時代の音を意識しているのが少し残念です。

1. Intro (Hayden slo-mo)
2. Dänzing
3. Crazy
4. rive (Grundfunken)
5. a Bomba (Stop Apartheid World-Wide!)
6. Elanoizan
7. Wave Mother
8. Paradise Walk
9. Euphoria
10. ier 1/2
11. Good Life
12. November
13. KD

ベースやボーカル、ドラムなど二人意外にもメンバーを増やしているので、普通のニューウェイヴバンドであり、テクノポップなアレンジになっていたり、自分達がオリジネーターであるという事を忘れて、この時代に売れようとしている魂胆が見え隠れしています。ただし、それでもこのバンドの感性は並外れていて、流石と思わせるところがあります。

感覚的にはダヴの手法による編集作業を行っており、金をかけていなかった昔に比べると、大分贅沢なサウンドになっています。サンプラーは使っているのか分かりにくいのですが、それっぽいアレンジがあったりしますが、音的にサンプリング音ではないような気もします。打ち込みになっているので、昔のようなグルーヴ感とは違っています。4枚目のアルバムという事で、枚数が少ないので、最後に手に入れればいいと思います。

Intro (Haydn slo-mo)
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[20121224]

Neu 75Neu 75
(2012/11/13)
Neu

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75年の作品で、メンバーが増えていますが、Thomas Dinger とHans Lampeがドラムで参加しているだけです。その事によりKlaus Dinger がドラム以外にもギターやボーカルで活躍する事が出来るようになっています。この歌がヘタクソなのですが、そのヘタクソ加減がジョンライドンそのものであり、ピストルズやP.I.L.がもろに影響を受けた事が明白になっています。

1. Isi
2. See Land
3. Leb Wohl
4. Hero
5. E-Musik
6. After Eight

パンクが世に出様としていた時期に出された作品なので、かなり参考にされたものだと思います。しかし、彼らはこのアルバムで解散します。Klaus Dinger とMichael Rotherは元々仲が悪かったと言われていますが、Klaus Dingerはデュッセルドルフを始動させていきます。Heroという曲はデヴィッドボウイのヒーローズのヒントになった曲だと言われていますが、確かに当時のボウイはイーノと共にドイツの影響をモロに浴びており、ヒーローズに入っているインスト曲にその影響が感じられます。

そうしたボウイやイーノをクッションとしてイギリスではクラウトロックの影響が日本では想像もできないほど盛んだったようで、ニューウェイヴバンドはクラウトロックの音楽性とパンクロックのメッセージ性を組み合わせて、そのスタイルを世界中に広めていきます。Michael Rotherがキーボードも弾いているので、これまでの作品よりバンドサウンドに聴こえます。テクノの要素が入った事になりますが、未完成な感じが斬新に感じられていただけに、オーソドックスになっているような印象も受けますが、それだけ、これからくるニューウェイヴのサウンドに近くなっているという事です。これも名盤です。

Isi
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[20121224]

Neu! 2Neu! 2
(2012/11/13)
Neu!

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73年のセカンドアルバムで、ジャケットはファーストのデザインに、ただ2と書き足しただけのものになっています。どれだけ経費削減しているんだと思ってしまいますが、それだけジャケットだけでも印象に残るバンドでした。彼らの金をかけないレコーディング方法は、そのまま彼らの音楽スタイルとなり、このアルバムでは更にその方法論を拡大させています。

1. Neuschnee 78
2. Super 16
3. Neuschnee
4. Cassetto
5. Super 78
6. Hallo Excentrico
7. Super
8. Fur Immer
9. Spitzenwualitat
10. Gedenkminute
11. Lila Engel

Neuschnee 78は原曲がNeuschneeでありまして、その曲の速度を上げただけのシロものなのですが、それによりドラムマシーンのような感じになり、テクノ的な感覚を覚えます。延々と続くドラムパターンを録音しておいて、その上に様々なノイズやギターなどを重ねていく、ペインティングみたいな作業なのですが、この作業は、その後のニューウェイヴ、インダストリアル、そして90年代のテクノまで続いていく方法論となっていきます。

あらかじめドラムループを用意しておいて、そこに装飾を重ねて行くやり方の元祖なのです。バンド名はノイと読みますが、英語でいうNEW、新しいという意味で、確かにやっている事は新しく、抽象的な感じはクラウトロックの良くあるパターンなので、ドイツのバンドという事で受け入れられるでしょうが、当時はただそれだけのバンドだったのですが、その後のセックスピストルズ、P.I.L.、ジョイディヴィジョンの曲に瓜二つなのが分かり、ニューウェイヴの元祖として再評価される事になります。日本人の感性では彼らの斬新さに影響を受けるなんて事はありませんでした。名盤です。

Neuschnee 78
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[20121224]

NeuNeu
(2012/11/13)
Neu

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元クラフトワークのKlaus DingerのドラムとMichael Rotherの二人によるユニットで、後のパンク、ニューウェイヴ、P.I.L.やジョイディヴィジョンの原型となるスタイルを既に確立させている、イギリスに多大な影響を与えたバンドです。72年のファーストアルバムでプロデュースはConny Plankです。淡々と続くシンプルなドラムパターンにギターのカッティングが絡むというだけの、まるでデモテープのような作品です。

1. Hallo Gallo
2. Souderoujebob
3. Weimensee
4. Im Gluck
5. Negativland
6. Lieber Houig

肥大化していくハードロックやプログレへのアンチテーゼとして生まれたパンクやニューウェイヴは、簡素化こそがテーマなので、このバンドのスタイルがそのまま継承されています。しかし、このバンドはただ金がなかったというだけで、スタジオ代をケチっただけで、延々と続くドラムパターンにギターやベースを重ねて行っただけのしろもので、本来なら未完成な内容なのですが、現代音楽盛んなクラウトロックにおいて斬新な印象を与える事に成功しました。

日本でもリアルタイムで紹介されましたが、ドイツの変わったバンドという印象だけでした。しかし、イギリスではこの方法論が金のない若者に新しいロックの可能性を感じさせたのです。まだ最初の作品なので、サイケデリックな曲もあったりします。歌の無いドアーズみたいで、これに社会的なメッセージを乗っければパンクやニューウェイヴの出来上がりなのです。未完成な音楽だからこそ、完璧な音楽とは違う世界の広がりを感じさせてくれています。歴史的名盤です。

Hallo Gallo
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[20121224]

ゼロ・セット(ZERO SET)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)ゼロ・セット(ZERO SET)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)
(2007/02/25)
メビウス・プランク・ノイマイヤー(MOEBIUS-PLANK-NEUMEIER)

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クラスターのDieter Moebius、そしてプロデューサーでもあるConny Plank とGuru GuruのMani Neumeierの三人によるコラボレート作品です。企画ものの作品でもあるにもかかわらず、その内容から最重要作品に位置づけられています。83年の作品でありますが、既に90年代のテクノを予感させる電子音、Mani Neumeierによるアフリカンなドラミングは縦横無尽に駆け巡り、まるでドラムンベースのようです。

1. Speed display
2. Load
3. Pitch Control
4. All repro
5. Recall
6. Search Zero

それぞれのグループでは元祖的な存在でありましたが、この三人が化学変化を起こせば既に未来のサウンドを生み出しているのです。とても82年に録音されたものとは思えません。90年代のハードテクノそのものであり、ドラミングがアフリカンな分だけアグレッシヴで90年代の作品だとしても、かなり斬新な内容になっています。80年代にこれだけのサウンドを創りだしていたものは他にはいません。それだけに、ただの企画ものでは追われないアルバムなのです。

RecallではDeukaという人がエスニックな歌を歌っていますが、それ以外はインストです。シンセによるシーケンスも80年代のそれとは明らかに違います。ノンリバーブに近い処理も80年代初期には考えられないようなものです。90年代テクノの猛者達が教則本として参考にしたのは明白です。ドラムが生ドラムなので、グルーヴもかっこいいです。90年代テクノでも太刀打ち出来ないくらいのポテンシャルです。歴史的な名盤です。

Speed display
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[20121223]

QuaQua
(2009/05/26)
Cluster

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2009年の作品で、前作から14年ぶりの作品になります。ほとんど解散している状態で、新しい機材が揃ったら新作でも創ってみるか、見たいなノリなのでしょうか。大分テクノらしい内容になっていますが、使っている音源はかなり斬新です。ドアがきしむような音があるのでサンプリングかと思ってしまいますが、メロディーとして制御されているので、シンセで創っている音のようです。

1. Lerandis
2. So Ney
3. Flutful
4. Protrea
5. Zircusile
6. Xanesra
7. Na Ernel
8. Putoil
9. Malturi Sa
10. Diagon
11. Gissander
12. Ymstrob
13. Albtrec Com
14. Stenthin
15. Curvtum
16. Formalt
17. Imtrerion

シンセというよりか、サンプラーで取り込んだ音源に対してシンセサイズ、リサンプリングして音を創りだしているようです。ですから、これまで聴いた事も無いような音が飛び出してきます。かなり新しい音が生み出されてきましたが、いまだに聴いた事も無いような音を出せるミュージシャンって、彼らくらいではないでしょうか。正に鬼才です。

ほとんどプリセット音だけで済ませるつんくみたいな輩もいますが、この豊富な音源の時代に、ここまで斬新な音を出すミュージシャンは希有です。曲を創る人間としては刺激になります。まだまだ工夫すればいかようにでもなるという希望が湧いてきます。音楽は出尽くしていますので、後はセンスとアイデアなのです。若手に是非見習ってもらいたい作品です。名盤です。

Lerandis
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[20121223]

One HourOne Hour
()
Cluster

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95年の作品です。1曲のみで60分くらいの曲になっています。スタジオでのライブ録音になっていて、シンセによるライブというとタンジェリンドリームみたいなもので、二人だけでライブが出来るほど、シンセサイザーのプログラミングが簡単になっているのも味方していると思います。

1. One Hour

サウンドは完璧にデジタルシンセになっています。そうなると他の楽器も全てシンセでまかなえるようになりますが、生ピアノは使っています。シンセのピアノ音も大分リアリティーが出せるようになっていますが、鍵盤の重さと言う点では弾き慣れたピアノの方がやり易いのでしょう。

アンビエントと言ってもいいのですが、それにしてはドラマティックです。タンジェリンドリームが失っていった創作性を持ち続けているところが凄いです。このテクノ全盛期に至っても斬新さを感じさせるところはベテランと呼ぶには、あまりにも挑戦者然としております。

Live in Lunz

[20121223]

アプロポー・クラスター(APROPOS CLUSTER)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)アプロポー・クラスター(APROPOS CLUSTER)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)
(2007/11/20)
メビウス+ローデリウス(MOEBIUS + ROEDELIUS)

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Apropos ClusterApropos Cluster
(1996/08/23)
Moebius、Roedelius 他

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91年、新しいテクノの波が押し寄せ、多くのミュージシャンがクラスターからの影響を公言する中、再結成されました。アンビエントも次第に多くの支持を集めるようになりますが、彼らは再結成しても、流石に個性的なスタイルを貫いています。若手テクノミュージシャンなどは及びもつかないほどの貫禄を放っています。

1. Grenzganger
2. Emmental
3. Gespiegelt
4. Falls
5. Apropos Cluster

電子音によるエレクトロニクスでありますが、この時期には、まだエレクトロニクスは一般的ではなく、あくまでも踊れる音楽としてテクノやハウスが流行っていきますから、踊れない音楽のクラスターは異才を放っています。最初の活動から10年のブランクがありますが、一般的になポップスには毒される事無く、自分達のやるべき音楽が分かっています。

やはりイーノ辺りの音楽に近いです。アンビエントというには激し過ぎるし、テクノと呼ぶにはビートがありません。環境音楽という概念がないと理解出来ないでしょう。デジタルシンセになっていますが、個性的な音色を選んでいます。というより自分達でプログラミング出来るほどシンセに精通するようになっています。初期の頃の柔らかな音色とは違ってきていますが、変化があってこそ生きた音楽といえるでしょう。

Emmental
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[20121223]

CuriosumCuriosum
(2009/12/08)
Cluster

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81年の作品で、このアルバムの後に一度解散しています。その後復活するのですが、先駆者としてのクラスターはここまでとなります。RoedeliusとMoebiusの二人によるプロデュースで、シンセサイザーのみを津あkっています。ようやくシンセサイザーの使い方に慣れてきたみたいですが、時代は既にデジタルシンセの時代に突入しているのに、まだアナログシンセを使っています。

1. Oh Odessa
2. Proantipro
3. Seltsame Gegend
4. Helle Melange
5. Tristan in der Bar
6. Charlic
7. Ufer

ようやくシンセらしいサウンドによる作品になっていますが、テクノポップとは明らかに違っています。後の90年代のテクノの風変わりな作品みたいな感じで、テクノポップはディスコの影響もあって踊れる音楽になっていましたが、彼らが創りだす音楽は踊れるようなシロものではありません。穏やかな音楽ではありますが、環境音楽ほど静かではありません。

シュトックハウゼンのチルドレンですから普通であるはずも無く、かといってシュトックハウゼンほどアヴァンギャルドでもありません。しっかりポップスとしても成り立っているのです。そこのバランスが絶妙であり、この塩梅は他のグループでは真似出来ない感覚です。どちらかというと冨田勲の音楽のシンフォニックな部分を簡略化したような音楽ではないでしょうか。名盤です。

Oh Odessa
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[20121222]

Grosses WasserGrosses Wasser
(2009/01/20)
Cluster

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79年の作品で、久々の純粋なクラスター作品ですが、プロデューサーがコニープランクではなく、タンジェリンドリームのPeter Baumannになっています。これはクラスターが新しい局面に進んだ事を象徴するものであり、時代はいよいよテクノポップの時代に入りました。主役がシンセサイザーになっています。しかしテクノポップと呼ぶにはあまりにも芸術的な作品です。

1. AVANTI
2. PROTHESE
3. ISODEA
4. BREITENGRAD 20
5. MANCHMAL
6. GROSSES WASSER

タンジェリンドリームの70年代の作品に近い感じがしますが、テクノ、ニューウェイヴに感化されている部分もあります。しかし、イーノの影響もまだあり、実にユニークな音楽です。今風にいえば音響派という言葉で片付けられるのでしょうが、テクノが盛んになりだした当時でさえ異色な内容になっています。これでこそクラスターなのです。

恐らくこの二人はシンセサイザーをまだ使いこなせていないのでPeter Baumannの助けが必要で、何とかシンセを主役にしたものの、シンセに頼らずとも完結出来るので、普通のシンセ作品とはひと味違うものになっています。電子音と生楽器程よくブレンドされています。テクノポップが若造の音楽だとすれば、これはあまりにもアダルトな音楽なのです。名盤です。

AVANTI
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[20121222]

アフター・ザ・ヒート(AFTER THE HEAT)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)アフター・ザ・ヒート(AFTER THE HEAT)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)
(2007/11/20)
イーノ・メビウス・ローデリウス(ENO-MOEBIUS-ROEDELIUS)

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78年の作品で、再びイーノが参加しています。今回はイーノ以外の参加は無く、純粋にクラスターとイーノのコラボレートになっています。今回は環境音楽というより、サティが提唱していた、家具のような音楽に近いものだと思います。音楽としてしっかりとした旋律を持っていますが、起承転結があるものではなく、フレージングが淡々と繰り返すような抽象的なものになっています。

1. Oil
2. Foreign Affairs
3. Luftschloss
4. The Shade
5. Old Land
6. Base & Apex
7. Light Arms
8. Broken Head
9. The Belldog
10. Tzima Narki

シンセサイザーを多用するようになっていますが、まだ主役にはなっていません。あくまでも効果音として使用されているだけです。シンセサイザーに頼らなくても、普通の楽器だけでも完結するくらいのしっかりとした理論に基づいてい構成されています。テクノポップとは違う世界感です。プロデューサーもコニープランクだけではなく、メンバー全てであたっているので、イーノの構成力も活かされています。

近未来というより、架空の抽象的な音楽のサントラのようでもあり、空間に流れていても生活の邪魔にはなりませんが、気になってしまう存在の音楽であります。そういう意味では、まだ環境音楽として成立していません。アンビエントとも違いますし、実に不思議な世界感です。ちょうどイーノのアナザーグリーンワールドに近いでしょうか。この三人でしか創りだせないような独自の音楽です。名盤です。

Oil
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[20121222]

Cluster and EnoCluster and Eno
(2010/12/15)
Cluster

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77年の作品で、ブライアンイーノとのコラボレート作品になっています。彼らのサウンドに惚れ込んだイーノが、とうとう共演するまでになります。イーノの他にCANのHolger Czukayなどが参加しており、音数が増えたからなのか、音楽的にも完成度が増しています。イーノはボウイのロウやヒーローズを創り終えたばかりで、本格的にドイツ系のサウンドに傾倒していきます。

1. Ho Renomo
2. Schne Hnde
3. Steinsame
4. Wehrmut
5. Mit Simaen
6. Selange
7. Die Bunge
8. One
9. Fr Luise

ジャケットには空に向けられたマイクがあります。空の音を録音しているようなイメージですが、今でいうサンプリング素材の録音のような作業工程を表してます。自分達の音楽はこの地上に流れる音に等しいと言ったメッセージとも言えます。確かにこれは環境音楽であり、アンビエントというものとも少し違います。

多くはドラムレスですが、ドラムやピアノ、といった一般的な楽器も彼らの素材となっています。時代はいよいよパンクからニューウェイヴ、テクノが生まれようとしている時期であり、パンクじゃないと売れないという時期スらありました。そうした音楽に影響を与えながらも、独自の音楽性を追求していく事になります。イーノは彼らの感性に触発されながらも、ロック・フィールドで培ったエッセンスを持ち込んでいます。名盤です。

Ho Renomo
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[20121222]

SowiesosoSowiesoso
(2006/12/05)
Cluster

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76年の作品で彼らの代表作です。シンセは使っていますが、決してシンセが主役という訳ではないところがこのバンドのユニークなところです。Conny Plankがプロデュースだけに留まり、MoebiusとRoedeliusの二人だけになりましたが、Conny Plankは元々演奏には控えめだったので、分かり易い分担になっています。サウンドとしてはイーノの初期のソロアルバムやボウイのロウ辺りの音ですね。

1. Sowiesoso
2. Halwa
3. Dem Wanderer
4. Umleitung
5. Zum Wohl
6. Es war einmal
7. In Ewgkeit

ニューウェイヴの元祖となっているイーノやボウイの作品もシンセ色は薄いサウンドを創っていました。それらに影響を与えているだけあって、ギターやピアノ、オルガンなどが主役だったりします。それでもテクノな感じがするところがミソです。初期の作品はコード感がありませんでしたが、音階の楽器をつかうようになってもワンコードに留まっています。アナログなミニマル感で、後の環境音楽の礎になっています。

シンセもシーケンサーも使わないのに非人間的な感じになっているところが現代音楽っぽいです。彼らもシュトックハウゼンの教えを受けています。大分分かり易くポップになっていますし、優しい音色を選んでいるので聴き易いけど、BGMではない、空間に存在する形が環境音楽なのです。空間のオブジェのような音楽なのです。この世界にのめり込んだのがイーノですし、その影響下にあるミュージシャン達です。だから、ニューウェイヴ、テクノの大本はドイツにあるのです。彼ら無くして80年代サウンドは生まれていなかったのです。名盤であります。

Sowiesoso
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[20121221]

ZuckerzeitZuckerzeit
(2007/09/11)
Cluster

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74年の作品で、ようやくシンセサイザーも使うようになりますが、電子音として使い方になっています。やっと音階のある音楽になり、テクノポップしています。これはクラフトワーク辺りとシンクロしているようです。ドラムもドラムマシーン、もしくは、それに近い音になっており、ベースもシンセベースであり、テクノポップとしての原型が出来上がっています。

1. Hollywood
2. Caramel
3. Rote Riki
4. Rosa
5. Caramba
6. Fotschi Tong
7. James
8. Marzipan
9. Rotor
10. Heisse Lippen

シンセを使っても、当時はまだアナログのモノフォニックシンセであり、扱い方も大変な時期であり、それよりもやり慣れているサウンドエフェクトを使った方が手っ取り早いという事で、サウンドエフェクトも大半を占めています。ですから音階があっても個性的な作品になっています。リズムマシーンを使う事で非人間的なイメージに徹しており、このヒューマノイドのようなサウンドが、変貌願望の強いデヴィッドボウイなどにとっては意を得たりのサウンドになっています。

これをもっとポップにやるとクラフトワークになり、後のテクノポップになっていきます。これをもっとシリアスに深層心理に響かせるようになるとブライアンイーノやロバートフィリップなどのフリッパートロニクスになっていきます。音楽的には難しい事をやっている訳でもなく、音楽的に捉えにくいというところが魅力だったと思います。楽譜にしずらいのです。

Hollywood

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[20121221]

Cluster IICluster II
(2007/09/11)
Cluster

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72年のセカンドアルバムです。このアルバムでもまだシンセサイザーは使っていません。当時のタンジェリンドリームは既にシンセサイザーを使ってアンビエントな作品を出していましたが、まるで初期のクィーンのようにノンシンセサイザーでこれだけのサウンドを生み出しています。当時は高価だったシンセサイザーが無くても、これだけの音を創れるという事が売りでした。

1. Plas
2. Im Sden
3. Fr Die Katz'
4. Live In Der Fabrik
5. Georgel
6. Nabitte

あくまでもサウンドエフェクト、フィードバックやリリースタイムをいじり倒して創っているので、音階楽器とはなっていません。そこが現代音楽的なのですが、それだけコントロールが難しい作業ではあります。Conrad Plankなんて、全く楽器を演奏する事も無く、ただプロデューサーとして参加しているだけです。現在みたいに演奏をプログラミングも出来ませんから、恐らく同じような演奏は二度と出来ないはずです。

ライブも行っていますが、恐らく実験的な作業場のようなステージではなかったかと想像出来ます。この音楽というより音の塊による造形を楽しむという趣旨かと思います。正にアートオブノイズなのです。フィードバックも一度マックスに達すると爆発音のようになります。それを難解も繰り返すと特定の周波数が暴れだします。そのさじ加減で音色も変化していくのです。音程が定まらないという事ではテルミンに似た効果になっています。私がフィードバック音を取り入れるようになったのも、ジミーペイジがライブでテルミンを操る感じを出したかったからで、シンセサイザーの代わりというつもりは全くありませんでしたが、聴く人によってはシンセのように感じるのでしょう。

Fr Die Katz
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